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東京2020大会が終わり早1年。今年1月には大会の成果をスポーツ振興に活かし都市に根付かせていくための方針をまとめた「TOKYOスポーツレガシービジョン」を東京都が発表するなど、2020大会の事業はレガシー活用のフェーズに入った。  そんな中、大会に関連したある横断幕がサイクリストに人気となっている。神奈川県を流れる相模川にかかる小倉橋(相模原市緑区)の西詰に掲出された、自転車競技のピクトグラムがデザインされた横断幕だ。自転車ロードレース競技の会場となった相模原市が大会1周年を記念してオリンピックレガシーの継承・サイクルツーリズムの推進を目的に設置したもので、実際の大会のときに大会公式の弾幕があった場所に設置されている。  東京2020大会のロードレースは、東京・調布市の武蔵野の森公園から緑の美しい道志みちを通り富士山麓まで、総距離244kmを走破するコース設定だった。小倉橋はそのレース中盤以降の山間部エリアの入り口に位置し、もう10km弱走れば前述の道志みちへ入ることができるというロケーション。そのため、周辺に訪れた人々がサイクリング前後にこの横断幕の前で記念撮影するのがブームとなっているのだ。

もともと相模原市周辺は都心から1時間かからない上に、市街地〜山間部まで変化に富んだ地形であることからロードバイクの練習には良い環境として知られている。相模湖・津久井湖の湖畔で景色を楽しみながら走ったり、宮ヶ瀬湖からヤビツ峠に入り山越えにチャレンジすることもできる。もちろん、足を伸ばせば富士山へも日帰りで。達成したい目標に合わせて色々な練習ができるのが魅力だ。  近年、このあたりはサイクリストにフレンドリーなカフェやレストランも増加していて、週末には多くのユーザーを目にする。今後は橋本駅近くにリニアモーターカーの新駅の開業も予定され、ますます都心や地方からも好アクセスになる相模原市。この追い風を生かしていっそう多くのサイクリストが集う街づくりが実現されたとき、オリンピックの成果がこの街に根付くのだろう。
▶文・写真│伊勢采萌子

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