S-V.LEAGUEのビジョン


大河正明
Masaaki Okawa
一般社団法人ジャパンバレーボールリーグ バイスチェアマン

―― S-V.LEAGUEのビジョン
これまでのVリーグでは、何をどのようにやっていくか?という議論は活発に行われていましたが、何のために?という部分が少し物足りなかったと思います。Jリーグ百年構想や、Bリーグの3つのミッションのように、いつでも立ち帰れる経営の軸が必要でした。そこで我々は新しくリーグを立ち上げるにあたり、「強く・広く・社会とつなぐ」というミッションを作りました。「強く」というのは競技力に加え、事業力とガバナンス力の3つが強くなるということ、「広く」というのはバレーボールファミリーだけではなく、地域や社会にスポーツの価値を活かして頂くという発想です。
また、「2030年に世界最高峰のリーグになる」というビジョンを掲げています。

―― S-V.LEAGUEの成功とは
「2030年に世界最高峰のリーグ」とは何か?といった時、競技力は「世界クラブ選手権」で優勝、あるいはベスト4の常連になることです。次に事業力では、現在イタリアのセリエAの1試合3,000人規模の集客を超えることと、年俸を世界一の水準にすることです。現在でも日本は世界ベスト5に入る事業規模と考えていますが 、ここからさらにガバナンスを強化できれば、強化と事業がそれに応じて大きくなると考えています。
現在リーグの事業規模は9億円程度ですが、これを2027年には30億、2030年には60億にしていく中で、放映権ビジネスも見えてきます。まずは世界最高峰のリーグを達成することが最初の成功と言えると思います。

―― 日本スポーツ産業学会に期待すること
野茂英雄さんがメジャーに行った頃は、日米のプロ野球のビジネスの差はほとんどありませんでした。現在も集客という面ではほぼ一緒です。しかし現在、日本と欧米のスポーツビジネスの差は随分と開いています。僕なりに仮説はありますが、この要因を研究して欲しいと思います。また、プロクラブの価値換算をしてほしいです。

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