Jリーグ再開に向けた抱負


村井満
MitsuruMurai
Jリーグチェアマン

――Jリーグ再開に向けた抱負
国民の健康を第一に、感染防止の観点を十分に期して再開していきたい。当初はリモートマッチ(無観客試合)だが、お客様をお迎えするとしても、段階的に入場制限を緩和し、大きな声を出すとかビッグフラッグの下に入るような観戦スタイルの変更も余儀なくされると思う。サッカーは産業としてのすそ野が広く、警備関係、フード関係、飲食関係、宿泊関係、公共交通を含めて様々な方々に支えられているので、ビジネスの側面も重要。感染防止の観点とスポーツビジネスの観点との両面をしっかりと見極めながら再開していきたい。

――Jリーグの今後の展望
今回の自粛期間において、様々な定額有料の視聴スタイルが広まって、DAZNでのサッカーの有料視聴機会が普及していくトリガーになったかと思う。今後は、視聴のテクノロジーとインターネットが掛け合わされたサービス開発が進んでいくと感じている。現段階では研究途上だが、例えば、無観客の試合であっても、家での声援がそのままリアルで選手に届くというようなことも技術的には確立しているし、Jリーグとしてはありとあらゆるチャレンジをしていきたい。

――日本スポーツ産業学会への期待
“産業”とは、そこに投資が行われて人材が集まり、価値が創造されて、社会活動に貢献すること。通常の産業と同じように投資が呼び込まれるかどうかの前提となるのは、人材や智の集結。5Gという大容量の通信手段を目前にして、スポーツの視聴環境をどのように豊かにしていくかも、スポーツ界の外側のノウハウが極めて重要。そういう意味で、スポーツ界と産業界の人材をつなぎ様々な智を交換する大きなハブになることを期待したい。

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