スポーツ産業界のこれから


尾山 基
Motoi Oyama
日本スポーツ産業学会共同会長
世界スポーツ用品工業連盟理事 株式会社アシックス取締役会長

—— 旭日中綬章のご受章おめでとうございます

ありがとうございます。
私ごとではありますが、この度、旭日中綬章拝受の栄に浴し、身に余る光栄です。スポーツ業界に身を投じて以来、スポーツ産業の発展を願い、ただひたすらに邁進してきたことが、このような形で評価されたことを大変うれしく思います。甚だ微力ではありますが、これからも日本および世界のスポーツ産業の発展、そしてスポーツを通じたより良い社会の実現に貢献していきたいと思います。

—— スポーツ産業界のこれから

ウクライナ侵攻や長期化するコロナ禍の影響を受け、世界的な資源エネルギー、資材不足も関係した価格上昇や、それに伴う景気減退が世界的な問題となっています。スポーツ界も、当然ながらこれらの影響は大きく、様々な課題に直面しています。
先日、世界スポーツ用品工業連盟の総会が行われましたが、その中でもスポーツ産業界としてサプライチェーン、サスティナビリティの重要性が再度確認されました。そして、スポーツ・健康が大切であり、コロナ禍で止まっていた時間を取り戻そう、といった意見もありました。
国内においては、スポーツ庁から第3期スポーツ基本計画が出され、具体的な取り組みが進められています。スポーツ振興への財務支援案や運動部活動の地域移行、ガバナンスが話題となっていますが、新たなプロスポーツリーグの設立や更なる発展、あるいはOTTサービス(オーバー・ザ・トップ・メディアサービス)やDX、GXなどもスポーツ産業が取り組むべきテーマとなります。様々な課題を克服し、異業種も巻き込みながら、スポーツ産業の発展につなげることが期待されています。

—— 日本スポーツ産業学会の今後について

今、スポーツ界も産業界も大きな変革を迎えています。日本スポーツ産業学会では、研究成果の発表交流や論文の刊行といった成果を結集して、これからのスポーツ産業界を展望したり、学術的に予測・提言したりするような成果を、社会に向けて発信できるようになることを期待しています。日本スポーツ産業を学術的に研究するメンバー、事業としてスポーツ産業に関わるメンバーが集まる当学会の果たすべき役割は大きいと考えています。これからの産業を担うスタートアップの方々が頼りたくなるような社会のステアリング機能を果たせるような学会になることを目指していきましょう。

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