スポーツ産業を測る わが国のスポーツGDP

スポーツ産業を測る
わが国のスポーツGDP
庄子博人│同志社大学スポーツ健康科学部准教授


前回は、日本版スポーツサテライトアカウント2018(以下:SSA2018)によるスポーツGDPについて述べました。 SSA2018は、国際比較可能でGDP計算に整合的な手法であり、スポーツGDPは2016年推計で約7.6兆円、対GDP比は1.41%であることが明らかになっています。今回はより詳細に部門別のスポーツGDPについて解説したいと思います。
表に、2014年から2016年まで3年間の部門別スポーツGDPと構成割合、そして3年間の成長率を示しました。その結果、構成比が最も大きい部門は「スポーツ活動」で約2.5兆円、構成比34%となりました。以降は「商業・輸送」(約1.6兆円、構成比21%)「教育」(約1.4兆円、構成比19%)となりました。この上位3つの部門で構成比の70%以上を占めていることがわかります。また、「スポーツ活動」の内訳は、「スポーツ施設提供業」「競輪・競馬等の競争場・競技団」「スポーツ・健康教授業」「興行場(映画館を除く)・興行団」であり、わが国のスポーツGDPに最も大きく貢献しているのは「スポーツ施設提供業」(約1.3兆円、構成比17%)であることがわかります。
一方、3年間の成長率に着目すると、全体では4.9%のプラス成長でありながら、「スポーツ施設提供業」はマイナス成長となっています。これは公共スポーツ施設の総数の減少が影響しているのかもしれません。また、「スポーツ活動」の中では、いわゆるプロスポーツが含まれる興行団が18.5%のプラスと大きく成長しています。また「電力・ガス・水道」など間接的な投入部門も大きな成長をしており、スポーツ産業の周辺的な部門の伸びていると考えたいところですが、総額が小さい部門では3年間の成長率の解釈が難しいというのが正直なところです。
また、今後推計することになる2017年以降は、2019ラグビーW杯や2020東京オリパラに向けたスポーツ産業の拡大が期待されます。直接的にはインフラ整備など建設需要が増加することは間違いないと思われますが、スポーツ産業に占める2019ラグビーW杯や2020東京オリパラの寄与分がどれだけあるか、ということを明らかにすることが研究としての課題になるかと思われます。

1)日本政策投資銀行,日本経済研究所,同志社大学,わが国スポーツ産業の経済規模推計~日本版スポーツサテライトアカウント2018~2014,2015,2016年推計,2019.

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