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早慶戦ならではの激しい攻防を見せる選手たち

今年もサッカー早慶定期戦の季節がやってきた。通常の各大学対抗のリーグ戦やカップ戦とは別に、一年で一度だけ行われる早慶サッカー部のプライドのみがかかった伝統の一戦。プロ選手を多数輩出してきた両校による真剣勝負の舞台では毎年数多くのドラマが繰り広げられてきた。近年ではピッチ外のイベントもパワーアップし、一つのカルチャーとしての発展を見せている。
運営は学生団体と両校部員たちが中心となって行い、当日の試合運営のみならずチケット販売やイベントなども彼らが手掛ける。チケットはペアシートやボックスシートも含めバラエティーに富んだ席種が用意され、ハーフタイムには毎年有名アーティストが出演するなど、様々な角度からマッチデーを楽しめる工夫がなされている。学生のレベルを超えた取り組みの成果で、前回大会では1万7872人もの動員を達成。昨シーズンのJ1の1試合平均入場者数1万9064人に迫る勢いだった。

熱い応援で会場を盛り上げる大観衆

試合前にはグラウンド外で両校の各サークルがパフォーマンスを行うなど、一般学生も積極的に参加してイベント作りがなされている点もこの試合の魅力である。受験を考える高校生にとってみれば、オープンキャンパスに行くよりここに足を運んだ方が校風がつかめるといっても過言ではない。実際、会場で青春を懸ける若者たちの熱さを目の当たりにし、両校への進学を目指す高校生もいる。筆者もその一人であった。
定期戦では現在早稲田が7連勝中だが、今年のリーグ戦の戦績を見ると開幕5試合でまだ勝ちが無く、1部リーグ12チーム中11位に沈んでいる。対する慶應は2部リーグながらも首位に立ち勢いに乗っており、今年こそ定期戦での勝利をもぎ取るかもしれない。女子部の定期戦も早稲田が3連勝中であり、慶應の反撃は見逃せないだろう。両校の意地が火花を散らす今年の試合は7月12日(金曜日)。川崎市の等々力陸上競技場にて、女子部は15時半、男子部は18時半キックオフ予定だ。令和最初の一戦、一日限りの熱狂をぜひ体感しに行ってみてはいかがだろうか。
伊勢采萌子│早稲田大学法学部4年

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