箱根駅伝4連覇、おめでとうございます


原晋

Susumu Hara
青山学院大学陸上競技部 長距離ブロック監督

――箱根駅伝4連覇、おめでとうございます
皆様のおかげでここまで来ることができましたが、何よりも、出場しなかった部員一同を含めた学生諸君が成長し、一致団結して存分の力を発揮してくれたことが一番の成果です。春の段階でマネジャーに問いかけたところ、「今年のチームは例年より力不足のような気がする」という自己評価もあったのですが、過去のデータと比較した各々の成績を見せて「決して劣ってはいない」ということを説明したところ、皆が自信を持って練習に取り組むことができたようでした。

――大学院修士課程での研究成果について
大学院では、「青山学院大学駅伝チームの箱根駅伝強化の軌跡~予選会突破からシード権確保、四連覇まで~」と題する論文を提出いたしました。14年前に監督に就任してから現在までを、予選会出場期(第I期)、シード権確保期(第II期)、優勝連覇期(第III期)と区分しますと、第I期から第III期にかけて、毎年の上位10名の選手の5000mタイムの平均が1分縮まっているのですが、入学から4年次までの各選手のタイム向上の程度も大きくなっています。選手のリクルートや学習練習環境の整備といったことについては当然として、学生一人ひとりの思考力・判断力を養成していったことが、コンディショニングについての意識の高まりや競技力向上に結びついたということが明らかになりました。いわば“青学メソッド”を詳細に分析・記述できたと思っています。

――日本スポーツ産業学会への期待
これまでは学術的な思考を巡らす機会はありませんでしたが、大学院での研究を体験して学術的・論理的思考の重要性を痛感いたしております。幸運にも、卒業時には最優秀論文賞を頂くことができましたが、それに甘んじることなくこれからも研究を続けていきたいと思っておりますし、その研鑽を深める場として、日本スポーツ産業学会には大きく期待しています。

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