スポーツ市場規模15兆円に向けて


鈴木大地
Daichi Suzuki
スポーツ庁長官

――スポーツ市場規模15兆円に向けて
未来投資戦略2017が閣議決定され、スポーツによる経済・地域活性化は構想から具体化の段階に入っています。起爆剤的な取組として、まず、スタジアム・アリーナ改革に着手しました。引き続き、スポーツツーリズムの推進、AI・IoTの活用などの新たな取組を加速していくことが重要です。そのため、技術とニーズのマッチング、経営人材の育成に取り組んでいきます。

――将来性豊かなアスリートの発掘
第2期スポーツ基本計画及び「競技力強化のための今後の支援方針(鈴木プラン)」で、アスリートの発掘が重要な課題として位置付けられ、本年度より日体協が、JOC、JPCなどの関連団体と連携して、「ジャパン・ライジング・スター・プロジェクト」を実施しています。合計で約1,300名の応募があり、この中から選考により、オリンピック競技971名、パラリンピック競技114名が第2ステージとなる測定会に進んでいます。私も、東京会場を視察しましたが、参加者の皆さんが生き生きとしており、その熱意に圧倒されました。今後は、第3ステージとしての検証プログラムを経て、競技団体の強化・育成コースに導いていくことになります。

――健康スポーツ推進への取組
健康スポーツの推進については、誰もがスポーツを楽しめる環境づくり、健康寿命の延伸や医療費抑制を目指し、さまざまな取組を行っています。働き方改革、健康経営の推進にも貢献すべく、プレミアム”スポーツ”フライデーに続き、8月に、従業員が行うスポーツ活動の促進・支援を行う企業を「スポーツエールカンパニー」として認定する制度を創設しました。秋には、働く世代に向けた新たな取組として官民連携プロジェクトを実施します。

――日本スポーツ産業学会への期待
学会大会での企画コンペも今年2回目を迎え、「スポーツ政策」「スポーツ産業の活性化」について新たなアイデアを提案していただきましたので、今後は実践に移していくための、データに基づいた科学的知見の充実、研究成果の発信をぜひ引き続きお願いしたい。また、検討が進められている大学スポーツの振興、日本版NCAAの創設についても、学会の専門性とネットワークを活かし、主体的に参画していただけることを期待しています。

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