東京2020の準備状況


平田竹男
Takeo Hirata
日本スポーツ産業学会共同会長
早稲田大学教授
内閣官房東京オリンピック・パラリンピック 競技大会推進本部事務局長

—— 東京2020の準備状況

新春を迎えるにあたって、東京オリパラが皆様にとって夢と期待を膨らませるイベントとなるよう、菅内閣においても官房参与としての任を引き続き担っています。安心して競技を開催するための感染症対策はもちろんのこと、選手等の入国を円滑に進めるための「アスリートトラック」の運用も開始しましたし、ホストタウンが安心して選手等を迎え入れられるような支援も行っています。観客の受け入れについては春になってからの判断ですが、万全の準備を尽くしています。

—— これからのスポーツビジネス

スポーツビジネスのパラダイムが根本から変わろうとしています。プロスポーツに関しては、多くの観衆を迎えた興行がビジネスの中核でしたが、スタジアムやアリーナの在り方もこれまでとは大きく変わります。スポーツ実践に関しても、スポーツジムの会員数が抑制された一方で、自宅での軽運動実施者が増えていますし、屋外でのゴルフは盛況で、ECではランニングシューズの売り上げも伸びています。政府はDXと地球環境保持に力を注いでいますが、そのような社会の動向に合わせて、新たな時代のスポーツ産業構造を模索する必要があるでしょう。

—— スポーツ産業学会のあり方

昨年来、次の時代に来るだろうものが前倒しで来ています。私たちスポーツ界も、将来起こるかもしれない変化を自分のものにすべく、活動をすべきでしょう。例えば通勤時間が減って1日3時間くらい生じたゆとりのうち、私たちスポーツ界は1時間でも取れたのか。スポーツくじにバスケットボールが加わったことをこれからのスポーツ振興にどのように役立てていけばよいのかなど、私たちが検証しなければならないことは山積みです。新しい働き方、新しい手段が必要となるこれからの時代を開拓できるように、日本スポーツ産業学会が発展して欲しいと願っています。

皆様に大いなる実りと幸せをもたらす年になるよう、心から祈念しております。

関連記事一覧