世界に示す「東京モデル」


尾縣 貢 Mitsugu Ogata
公益財団法人日本陸上競技連盟 会長
公益財団法人日本オリンピック委員会 専務理事

―― 世界に示す「東京モデル」
東京2020オリパラが無観客だったことが、来年9月に東 京2025世界陸上を招致した強い動機です。なんとかして、満員の国立競技場で選手に競技してもらいたい、また皆さんにも生で選手の活躍を見ていただきたい、そういう思いで招致をスタートしました。
昨今の様々な競技の世界選手権と同じく、世界陸上も都市が主体となります。そのため、まずは東京都に協力を求める必要がありました。我々スポーツ界は東京2020のガバナンスの問題もあり、正直、社会の眼には厳しいものがあります。しかし、だからこそ、最も厳しいガバナンスで今大会を成功させることに大きな意義があると考えています。
我々日本陸連が他スポーツ団体の先頭を切って、持続可能な大会の実現や、フェアネスを体現した信頼される組織運営を通じて、 未来に向けた国際スポーツ大会の新しい世界標準、「東京モデル」を確立することに強い使命感があります。
この考えを実現するために昨年、東京都とともに、運営母体となる一般財団法人東京2025世界陸上財団を設立しております。

―― 2025年から生まれる新たな未来
東京2020のレガシーの2つの柱であった「ダイバーシティ」と「インクルージョン」に加え、今回は「競技ができる世界を取り戻す」というレガシーを残したいと考えています。
これは主に気候変動についてです。東京2020ではマラソンと競歩が直前に札幌開催となりました。また、温暖化により、冬季オリパラが開催できる都市は世界に10都市しかないとも言われています。このままでは屋外競技はできない世界になってしまいます。この社会課題の解決を世界陸上でも繰り返し訴えていく必要があります。
スポーツをすることで、選手の活躍による感動はもちろんありながら、社会課題の解決も目指す。そういう姿勢がスポーツを見る社会の眼を変えていき、それが実は将来的には愛好者やスポンサーを増やしていく大きな力になると 考えています。

▶陸上競技の最高峰を東京で!
https://worldathletics.org/jp/competitions/world-athleticschampionships/ tokyo25/tickets-tokyo

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