これからの日本ハンドボール界への抱負


湧永寛仁
Kanji Wakunaga
公益財団法人日本ハンドボール協会 会長
湧永製薬株式会社 代表取締役社長

—— これからの日本ハンドボール界への抱負

日本ハンドボール協会(JHA)は、今春から競技者登録システムを完全リニューアル。登録者向け会員サイト「My Handball(マイハンドボール)」として稼働します。将来的には、自分の出場した協会主催の大会写真や記録を蓄積することができるサイトへと発展させてゆく予定です。
さらに、2020年度までJHA協会内部の任意団体であった日本ハンドボールリーグを一般社団法人日本ハンドボールリーグとして法人化させます。その法人の初代代表理事には、BリーグやJBAで要職を歴任された葦原一正さんを迎え、協会と二人三脚で新たな道を切り拓いてまいります。
日本ハンドボール界は、「登録者満足度」「収益構造改革」「組織ガバナンス」そして、「事務局基盤整備」を中期計画のテーマに据えて歩んでまいります。

—— ハンドボール界発展のためのスポーツ産業の意義

試合映像の配信やSNSでの動画配信は、この1年急速に利用頻度が高くなったと感じています。スタジアムやアリーナでの直接観戦、自宅でテレビを通じての試合観戦という従来の観戦方法以外のスポーツ観戦の在り方が急速に発展している中、今以上にスタジアムやアリーナでのインターネットや動画配信環境が整い、容易に映像配信が可能になることが求められています。OTT分野での技術革新が進むことの他に、AIなど自動化されたスポーツ試合映像配信がスポーツ産業の目指す姿の1つにあると確信しています。

—— スポーツ産業学会のあり方

今までの協会やリーグであれば、強化や指導普及、競技運営が重要項目であって、あまりビジネス的なプラスアルファの活動をおこなっておりませんでした。多くの方に一生涯ハンドボールを、スポーツを楽しんでいただくサービスを提供し、その結果として、協会やリーグの収益が発生してゆく、そのようなプラスアルファの効果を生むことがスポーツ界全体として目指す方向性ではないかと考えています。スポーツの楽しみ方や関わり方など様々な変化を的確に掴み、特にハード面(施設や装置、インフラなど)を政策的に発展させていくことを日本スポーツ産業学会には期待したいと思います。

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