スポーツが持つ「人生を変える力」
河合純一
スポーツ庁長官
私は幼い頃からスポーツが持つ「人生を変える力」を信じてきました。5歳から水泳を始め、視力を完全に失っても水泳に向かい続けた日々は、勝利だけでなく努力・挑戦・仲間との関係が人を強くすることを教えてくれました。スポーツを通して自分の可能性を広げる経験は、まさに人生そのものでした。
パラリンピックでは6大会に出場し、金メダルを5つ含む21のメダルを獲得しました。競技の世界で学んだのは、限界を超える瞬間の輝きだけではなく、違いを理解し支え合う価値です。スポーツは、障がいのある選手もない選手も、共に楽しむことができ、共生社会をつくる力になることを深く実感しました。
2025年10月1日、第3代スポーツ庁長官に就任しました。歴代長官はオリンピック金メダリストが務めてきましたが、今回初めてパラリンピアンとしてスポーツ庁のトップに立つこととなりました。この事実こそが、大きな変化であり、スポーツを通じて誰もが自分らしく生きられる社会の実現に向け、スポーツ庁長官としてスポーツの楽しさや魅力、価値などを国民の皆様に分かりやすくお伝えし、スポーツのすばらしさを実感いただけるよう努めていく所存です。
スポーツは、体力向上や心身の健康の保持増進だけでなく、ウェルビーイングの向上にもつながるため、全ての国民が生涯を通じてスポーツを継続・実施できるよう、関係機関とも連携しながら、エビデンスに基づく効果的なスポーツの推進やスポーツの場づくりを含めて環境整備を進めます。また、スポーツが持つ、地域に楽しみやつながりをもたらす等の高いポテンシャルを発揮させることも重要であるため、スポーツを通じた経済・地方活性化を一層推し進めていきます。
スポーツ基本法の制定から14年、スポーツ庁創設から10年が経過する中で、スポーツを取り巻く社会環境は大きく変化してきました。そのような中、昨年改正されたスポーツ基本法を踏まえ、まずは同法の基本理念の実現に向け、人種、性別、年齢、障害の有無等にかかわらず、多様な人々がスポーツに親しみ、参画し、豊かさを実感できる社会づくりに貢献してまいります。
スポーツは人生を豊かにし、人生のさまざまな瞬間で力になってくれる——その思いを、多くの皆さんに伝えていきたいと思っています。
プロフィール(かわい・じゅんいち)
早稲田大学教育学部卒業・早稲田大学大学院教育学研究科修了修士(教育学)
公益財団法人日本パラスポーツ協会日本パラリンピック委員会委員長。日本パラリンピアンズ協会会長。スポーツ庁スポーツ審議会委員などを歴任。



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