これからの日本スポーツ界への貢献


芦立 訓
SatoshiAshidate
日本スポーツ振興センター理事長

—— これからの日本スポーツ界への貢献

ポイントとしては3点あると思います。1つ目は、スポーツ振興くじの財源の確保です。2022年以降のスポーツ関連予算のトレンドは不明確です。スポーツ振興くじの売り上げ確保、助成財源の確保が必要です。2つ目は、ハイパフォーマンススポーツセンター(HPSC)に蓄積されたスポーツ医・科学の研究成果と最先端のトレーニング施設の有効活用です。ソフトとハードの融合をさらに進め、質の高いサービスを提供したいです。3つ目は、既存データのデジタル化と分析、テクノロジー活用です。例えば、世界を転戦するアスリートに、デバイスを活用してHPSCに来なくとも同等のサービスを提供できるようにする、さらに、地域にいらっしゃる方に対しても同じようなサービスが展開できるようにすることです。日本全体に我々のノウハウを提供し「スポーツと健康」という大命題まで届くようチャレンジしたいです。

—— プロスポーツを下支えするWINNER

WINNERの払戻金はBIGなどに比べると低く、現状の高額払戻商品が好まれる市場からすると劇的に売れる構造ではありません。しかし、プロスポーツの「下支え効果」があると思います。WINNERの場合、サッカーやバスケットボールの1試合の予想になりますので選手の名前や顔、過去の試合の状況などが想像しやすくなっています。また、チームに売上の一部が直接支援金として配分されます。自分の贔屓チームに寄付をするようにチームにお金が回る仕組みは、新しい応援の形になると訴えたいです。各チームにもWINNERを通じて、多くのファンを獲得する努力をしていただき、プロスポーツの足腰を強くして行く契機になればと考えています。

—— 日本スポーツ産業学会に対する期待

WINNERの販売や秩父宮ラグビー場のPFIなど、JSCの業務では産業的な視点が大切になってきています。日本スポーツ産業学会は、アメリカの三大スポーツに関する研究など、スポーツ産業に関する先端的な研究に取り組み成果を上げてこられたと認識しています。HPSCの研究部門であるJISSは自然科学に重点を置いた形で発展してきましたが、今後は、人文社会科学的なアプローチが大変重要となってきます。日本スポーツ産業学会をはじめとする関係者と連携し、シンポジウムの開催などを通じて、我が国スポーツ科学の幅広い発展のお役に立ちたいと考えております。

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