クリケットがオリンピック種目に?


インドNo.1スポーツのクリケット

クリケットはインドで最も人気のあるスポーツだと言われている。このクリケットが2028年ロサンゼルスオリンピックで追加競技になるかもしれない。
IOCは2014年に発表した「オリンピック・アジェンダ2020」で、開催都市に対して実施競技の追加を認めた。以降、東京2020では野球・ソフトボール、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンが追加。2024年パリ大会ではブレイキン、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンが追加された。
2028年ロサンゼルス大会では、現在、モータースポーツ、クリケット、空手、野球・ソフトボール、ラクロス、ブレイキン、キックボクシング、スカッシュ、フラッグフットボールの9競技が「最終候補」に残っており、この中のいくつかが承認される予定となっている。

経済都市ムンバイで開催のIOC総会で決定か

オリンピック情報を中心に扱うメディア「Inside the games」は、インド経済の中心都市ムンバイで2023年10月15日〜17日に行われる第141回IOC総会にて、2028年ロサンゼルスオリンピックの追加競技が決定されると報じている。
追加競技は開催都市による提案がベースとされるが、実際には数々の要素が複雑に絡み合っており、必ずしも開催都市の意向のみで追加種目が提案されるとは考え難い。
2023年4月19日に発表された国連人口基金の「世界人口白書2023」によると、インドの人口は中国を抜き14億2860万、2050年にはおよそ16億7000万人に達するとされる。またIMFによると、2022年以降インドのGDPはイギリスを超え世界5位に浮上した。
カタールやドバイ、サウジアラビアなどで国際大会が誘致されているように、現在、スポーツと経済は密接な関係となっている。インドの今後の発展と、総会開催という地の利を鑑みると、インドNo.1スポーツのクリケットがオリンピックに追加されるのは邪推とは言えないだろう。
また、2023年9月4日のInside the gamesによると、IOCバッハ会長が2028年大会にクリケットのTwenty20フォーマット(最大5日、平均7時間必要な試合形式を3時間程度に短縮した形式)の採用を後押しする考えが示されている。
イギリスの国技で、13世紀に羊飼いの遊びとして始まったと言われるクリケット。今や世界で3億人の競技人口とも言われている。日本国内でこそ人口は3,500人程度とされるが、普段馴染みのないスポーツに触れる機会もオリンピックの魅力の一つ。採用の推移を見守りたい。(SBMR編集部・松下尚道)

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