日本スポーツ産業学会理事長就任にあたって
井上智治 Tomoharu Inoue
日本スポーツ産業学会理事長
一般社団法人日本野球機構理事
パシフィック野球連盟理事
株式会社楽天野球団取締役
早稲田大学ビジネススクール客員教授
—— 理事長就任にあたって
本学会は、尾山基・平田竹男両会長、中村好男運営委員長ほか本学会の関係者の皆様のお力で運営されてきており、過去に様々な実績を積み重ねて参りました。
本学会の課題は、「研究者による学術的研究」とともに、「産・官・学の連携の強化」であり、平成2年(1990年)設立より、スポーツ産業の健全な発展に寄与できる産官学の共同による開かれた学会を目標としていました。今後は更に「産・官・学」の連携の強化によるスポーツ産業の健全な発展に貢献することが求められると思います。
—— スポーツ産業界の現況
2020年初めからの新型コロナウイルス感染症の拡大は、2020年シーズンのみならず、2021年5月においても緊急事態宣言が継続するなど、スポーツ産業も大きな影響を受けています。スポーツ産業のビジネスモデルが、コロナ下において大きなダメージを受けることとなり、新しい事態に対しスポーツ産業の本質的部分の維持と柔軟な変化が求められています。
また、スポーツ産業においても、デジタル化、データ化、AI化の流れも加速し、新しい技術の活用による発展も求められています。更に、スポーツ産業分野においても、持続可能な社会の実現に向けて、SDGsの視点、Well-beingの視点等多様な考え方の推進が必要です。
—— 学会への期待と抱負
コロナ禍で日本の産業や政府、地方自治体の変化に対する対応の遅れが問題となりつつありますが、スポーツ産業においても、科学的な証拠に基づく政策決定、合理的な事業活動の必要性が強く求められています。新しい時代において、本学会の活躍する場が広がるとともに、本学会の真価が試されるときが来ているとも感じられます。本学会に集まられる皆様とともに、本学会のより良き活動を進めてまいりたいと考えております。